マンションを売る時に不動産鑑定士に依頼するメリットデメリットを解説!

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マンションを売るとき、物件の相場を確認するために査定を行います。

一般的には不動産会社で査定を行う人がほとんどですが、不動産鑑定士にマンション鑑定を依頼することも可能です。

不動産鑑定士とは、その名の通り不動産を鑑定する専門家です。

不動産鑑定士は司法試験や公認会計士と同じと言われるほど難関試験をクリアした国家資格者で、固定資産や国有財産を評価するなど、国絡みの仕事を請け負っています。

この不動産鑑定のエキスパートに不動産鑑定を依頼することにどんなメリットがあるのでしょうか。

そこで今回は、マンションを売る時に不動産鑑定士に依頼するメリットについて紹介していきます。

1、不動産鑑定士に依頼する2つのメリット

不動産鑑定士は不動産を鑑定するプロです。

不動産鑑定士にマンションの鑑定を依頼すると、不動産会社の査定に比べ、信ぴょう性が高く、より詳細な鑑定額を算出してもらうことが可能です。

また、不動産鑑定士は相続税のための路線価図の作成も手掛けているため、相続時の財産整理をしたいときに、非常に頼りになる存在でしょう。

しかし、不動産鑑定士は公的な業務も手掛ける鑑定のエキスパートであるため、不動産会社の査定と比較すると費用が高く、鑑定依頼することに抵抗を感じる人が多いようです。

このように、不動産鑑定士に鑑定を依頼することは、メリットもあればデメリットも存在します。

そのため、不動産鑑定士に査定依頼を検討する前に、メリットとデメリットを知っておきましょう。

1、詳細な査定額がわかる

不動産鑑定士が出す鑑定結果は、不動産鑑定評価基準という不動産の法に基づいて算出されます。

不動産鑑定評価基準とは、不動産の適正価格を求めるために、国土交通省で定められた統一基準です。

そのため、不動産鑑定士が評価する鑑定結果は、公共事業でも使用されるほど正確なデータです。

不動産鑑定士は、地価公示法の標準値の計算や国有財産の評価を行う一方で、個人の不動産鑑定や地代や家賃トラブルのための評価なども行っています。

不動産会社が算出する査定結果は、あくまでも売却時の相場確認のひとつとして行われます。

しかし、不動産鑑定士が算出する鑑定結果は、不動産の適正な価値を求めなければいけないという役割があるため、鑑定結果ひとつに対しても重い責任を背負っています。

2、不動産相続や土地活用方法のコンサルを受けられる

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不動産鑑定士は、相続時に非常に頼りになる存在です。

相続税を計算するための路線価の評価や相続時の資産価値の評価をする仕事もなども請け負っています。

相続時に遺産を分配するとき、土地や建物の資産価値を正確に把握している人は多くありません。

そのため、相続時に不動産の分配でトラブルになったり、どのように不動産を相続したらいいのか不安になったりするケースもあります。

このようなときに、不動産鑑定士に不動産の適正価格を鑑定してもらったり、土地の活用方法についてアドバイスをもらったりすることが可能です。

また、不動産鑑定士は家賃の評価も業務としており、相続したマンションを賃貸に出したいときにも、適正な賃料を計算してもらうこともできます。

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2、不動産鑑定士に依頼するデメリット

一方で、不動産鑑定士に依頼することにどのようなデメリットがあるのかもみていきましょう。

不動産鑑定士は重い責任のもと、不動産鑑定評価基準に沿った正確な鑑定結果を出してくれます。

不動産鑑定士が行う鑑定は独占業務であり、不動産鑑定士という国家資格を有していなければ、鑑定結果を出すことはできません。

このように、確実な評価を知ることができる反面、費用がかかるというデメリットがあります。

マンションの査定を依頼したい人の中には、「正確な鑑定結果は知りたいけれど、そこまでじゃない」と考える人もいると思います。

マンションを売却し、余裕を持った新生活をスタートさせたいと計画している場合、なるべく出費を抑えたいと考えるのは当然のことです。

そこで、不動産鑑定士に不動産を鑑定してもらうと、実際どのくらいの費用がかかるのか解説していきます。

不動産鑑定士の依頼費用はどのくらいなのか

不動産鑑定士に、マンションの鑑定を依頼すると、費用はどの程度になるか非常に気になるところです。

一般的に不動産の鑑定評価の費用は、不動産の価値によって異なります。

依頼内容によって変動はあるものの、平均すると案件につき30~50万円程度かかります。

不動産会社が無料で査定を行うのに対し、不動産鑑定士の鑑定評価が高額になる理由は2つあります。

1つは、不動産鑑定士は国の不動産評価業務に携わることができるほど、豊富な知識と重い責任を背負っているという点です。

もう1点は、様々な資料に目を通したり現地調査を行ったりするなど、確実な鑑定評価を出すために尽力してくれることが高額な報酬となる理由です。

このように、不動産鑑定士に鑑定を依頼すると、信ぴょう性がある正確な評価額がわかるというメリットもありますが、その分高額な費用がかかるというデメリットもあります。

納得のいく形で不動産鑑定士に鑑定を依頼できるよう、マンションの売却計画をしっかり練っていきましょう。

3、不動産鑑定士と不動産会社の査定方法の違い

不動産鑑定士が評価する鑑定結果と、不動産会社が算出する査定結果の違いが少しずつ知ることができたかと思います。

では、両者が出す計算方法にはどのような違いがあるのでしょうか。

不動産鑑定士が不動産を評価するとき「原価法」「取引事例法」「収益還元法」などの計算方法が使用されています。

物件はマンションや戸建て、賃貸住宅や文化財のように様々な種類があるため、それに見合った計算方法で物件の価値を算出していかなければいけません。

不動産鑑定士は、それぞれの物件にあった評価方法を選び、より正確な価値を計算しています。

これらの評価方法は不動産会社でも活用されている一般的な不動産価値の算出方法です。

そこで、不動産鑑定士と不動産会社の査定方法の違いについて紹介しますので、実際に不動産がどのように評価されているのか、参考にしてみてください。

1、不動産鑑定士が使う3つの鑑定評価

不動産鑑定士に依頼することのメリットの部分でも少し触れましたが、不動産鑑定士は国土交通省で定められた「不動産鑑定評価基準」という統一的基準を基に鑑定評価出します。

不動産鑑定評価基準は、実際の市場で使用される正常価格を求めるだけでなく、土地の分配方法を計算する限定価格や、法人の経営に関する特定価格を算出するために使われます。

このように、様々な状況に応じて、不動産鑑定士は不動産の価格を算出しています。

これらの価格を算出するために、不動産鑑定士が使う鑑定評価にはいくつか種類があります。

一般的によく使用されている代表的な評価方法をみていきましょう。

・原価法

原価法とは、建物の材料の原価を計算して不動産の価値を求める方法です。

具体的な計算方法としては、建物を建設した当時に調達した建築材料を、現在の時点で再度立て直した場合にいくらかかるか価値を求めていきます。

さらに、建物は建設した当初よりも劣化し、価値がどんどん下がっていくため、その劣化状況も考慮して計算する方法です。

このように、再度材料を集めた場合の原価を計算する方法を再調達原価と呼びます。

再調達できることが前提のため、すでに宅地造成されているような不動産には原価法は使われないという特徴があります。

・取引事例法

取引事例法は、一般的な中古住宅の評価に使われる計算方法です。

類似物件が過去にどのような価格で取引されたのか、価格の変動はあったのかを調べていき、比準価格を求めます。

不動産は、法人の利益を上げるためや借金を清算するためなど、様々な事情で取引されています。

このような事情が絡んだ時、不動産の価値は状況に応じて、標準の価格よりも値上がりしたり値下がりしたりすることがあります。

取引事例法では、このような価値の変動も考慮されて計算されますが、補正しようのない深い事情までは考慮することができません。

・収益還元法

収益還元法とは、対象の物件を賃貸した場合、どの程度の収益が出るのかを計算する方法です。

将来的に不動産が生み出す価値も試算され、評価していきます。

この収益還元法には、直接還元法とDCF法という算出方法があります。

直接還元法は、ある一定期間内の収入から営業費用を差し引いた収益を利回りで割り求める方法です。

また、DCF法(Discounted Cash Flow)は、収益がある不動産が生み出す純収益を現在の価値に割引く方法となります。

収益還元法は実際に賃貸されていない物件が、賃貸に出したらどうなるかという想定の視点から使用されることもあります。

ただし、指定文化財など市場からかけ離れた不動産の価値を測るときには、収益還元法は適していません。

このように、不動産鑑定士が不動産の価格を求める場合は、対象となる物件の特性を考慮し様々な計算方法が使用されています。

2、不動産会社が使う2つの査定方法

それでは、続いて不動産会社がどのような方法で査定を算出していくのかをみていきましょう。

不動産会社が査定額を算出するには、机上査定と訪問査定という2つの方法があります。

下記で詳しくご説明していきますが、机上査定と訪問査定の違いは、依頼主の事情も考慮されています。

通常、査定の申込みをする場合に依頼主の方でどちらの査定方法がいいのかを選択します。

取り急ぎ簡単でいいから見積もりがほしい場合には机上査定が選択され、売り出し価格に近い正確な査定額が知りたいときには訪問査定が選択されます。

この2つの査定方法が実際にどのようにして物件の価値を算出するのか、詳しく解説していきます。

1、机上査定のメリットデメリット

机上査定は、物件を訪問せずに、住所や登記などから物件のデータや過去の取引事例を参考にして相場価格を計算する方法です。

簡易査定やメール査定とも呼ばれています。

物件の情報だけで価格を算出するため、調査する時間が短く、また早く結果を知ることができるメリットがあります。

逆にデメリットとしては、短時間で簡易的に価格が出されるため、実際の売り出し価格とかけ離れてしまうという点です。

しかし、不動産会社の担当者と顔を合わせずに査定結果を見ることができるため、「現時点では不動産会社に訪問してもらいたくない」「おおよそでもいいから価格だけを知りたい」という場合に机上査定がおすすめです。

2、訪問査定のメリットデメリット

一方、訪問査定は、実際に物件を訪問し査定額を算出する方法です。

机上査定に比べると売り出し価格に近い詳細な金額を計算するため、詳細査定とも呼ばれています。

物件の立地や間取りだけでなく、リフォーム状況や建物の破損部分、日当たりや設備状況などを目視で確認し、ひとつずつ点数をつけ評価していく方法です。

現地調査で物件の価値を隅々まで調べるため、より詳細な価格を知ることができるというメリットがありますが、不動産会社の人間を物件に招き入れなければいけないというデメリットもあります。

そのため、訪問査定は「より売り出し価格に近い査定額が知りたい」という場合におすすめです。

まとめ

土地や建物の価値を鑑定する不動産鑑定士は、公的な仕事も請け負っている鑑定のプロのため、不動産会社の査定よりも詳細な不動産の価値を鑑定することができます。

不動産鑑定士の鑑定結果は、信ぴょう性が高いため、マンションを売るときだけでなく相続の財産分与時にも役立つでしょう。

しかし、依頼料は少々割高なためひとつの依頼につき数十万円程度の費用が必要な場合もあります。

一方で、不動産会社の査定は無料で行うことができますが、不動産価値の正確性を重視したい場合には、不動産鑑定士に鑑定してもらうことをおすすめします。

不動産鑑定士に依頼するか、不動産会社に査定を申し込むかは、どのようにマンションを売りたいのか、状況に応じて選んでいきましょう。

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