欠陥住宅とは〜相談方法や判例と欠陥住宅関東ネットについて

<記事の情報は、2022年5月1日時点のものです>

新築住宅や中古住宅を買う際に心配事の1つが「欠陥住宅ではないか」ではないでしょうか。

欠陥住宅を掴んでしまうと、マイホームで暮らすことが大きなストレスとなり、夢見ていた楽しいマイホーム生活を送ることが難しくなります。

ここでは、欠陥住宅の内容や見落とさないためのポイント、相談方法など、以下4点について紹介しています。

【1】欠陥住宅とは
【2】欠陥住宅を見落とさないためのチェックポイント・注意点
【3】欠陥住宅かも?と思った場合の相談方法
【4】欠陥住宅の判例

この記事をご覧いただくことで、欠陥住宅を掴む可能性が低くなり、万が一、欠陥が見つかった場合にもスムーズに対応ができるようになりますので、参考にしてください。

またここで1つ、本文に入る前に重要な質問をさせてください。

「注文住宅や建売住宅といったマイホームを購入するとき、最優先でしなければいけないことは何かわかりますか?」

土地の調達でしょうか?住宅ローンの設定でしょうか?

もちろんこれらも非常に重要ですが、さらに重要なことがあります。

それが「ハウスメーカーを徹底的に比較検討する」こと。

多くの人が、「知名度が高い」とか、「価格が安い」とかいう理由で比較検討せずにハウスメーカーを決定してしまいますが、実はこれ非常に危険

特に多いのが、住宅展示場に足を運んだ際に、言葉巧みな営業マンに流されてその場で契約をしてしまうパターン。住宅展示場の住宅モデルはオプションがフル装備されていることが多いため、住宅展示場の家と実際に建てた家のギャップにがっかりする人も多いんです。

これだと、大金を払ったて建てた家が大きな損になってしまいます。

そうならないためにも、事前にハウスメーカーを徹底的に比較検討することが大事になってきます。

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それではここから本文に入っていきますよ。

【1】欠陥住宅とは

まずは、「欠陥住宅」とはどのような住宅を指すのか、基本的な内容について見ていきましょう。

また、どのようにして欠陥住宅がクローズアップされるようになったのか、その背景についても知っておくことが大事です。

そのために、ここでは次の4点を紹介しています。

1.阪神淡路大震災で「欠陥住宅」が広く知れ渡る
2.欠陥住宅とは
3.欠陥住宅の主な具体例
4.欠陥とはいえないもの

それでは、早速1点目から確認していきましょう。

1.阪神淡路大震災で「欠陥住宅」が広く知れ渡る

「欠陥住宅」が世間に広く知れ渡るきっかけとなってしまったのが、1995年に発生した阪神淡路大震災です。

兵庫県の淡路島北部沖の明石海峡を震源としてマグニチュード7.3の大地震が発生し、犠牲者約6,400人、家屋は全壊が約10万5,000棟、半壊が約14万4,000棟と甚大な被害をもたらしました。

なぜ、阪神淡路大震災で欠陥住宅がクローズアップされたかというと、亡くなった方の約4分の3が、倒壊した家屋の下敷きになって圧迫死・窒息死しています。

倒壊した家屋の多くが木造住宅であり、倒壊した原因は、間仕切り壁の不足や接合金物を適切に使用していない、基礎部分の接合が不十分など、住宅の欠陥だったためです。

そのため、「欠陥住宅」が世間に広く知れ渡り、建物の安全性が問題視されるようになりました。

2000年には建築基準法の改正もおこなわれています。

2.欠陥住宅とは

欠陥住宅とは、建築基準法の基準を満たしていない住宅や契約内容に違反した住宅のことです。

どちらの場合も住宅の安全性や快適性が損なわれるため、なるべく早く欠陥部分を直さなければ安心して暮らすことができません。

雨漏りや基礎の陥没、床の傾きなど、さまざまな欠陥があります。

目に見える部分であれば、まだわかりやすいですが、土台の防腐防蟻措置や基礎のかぶりの厚さ不足、適切でない断熱材の使用など、目に見えない部分の欠陥もあるため厄介です。

「中古は欠陥があるかもしれないが、新築なら大丈夫」と考える人もいるかもしれませんが、新築の場合も手間を省きコストダウンを図って業者の儲けを多くするために、意図的に品質を落としたり、手抜き工事をして欠陥住宅をつくるところは未だにあります。

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「壁紙がはがれた」「外壁にわずかなクラックがある」などは欠陥と呼ぶことはできませんが、耐火性や耐震性、耐久性などが基準を満たしておらず、安全性を欠いたものについては欠陥といえます。

建築基準法や住宅金融公庫の仕様書、日本建築学会の標準工事仕様書、宅地造成等規制法、、、など、このような法令・仕様書に違反する住宅は欠陥住宅であり、このような住宅を選んでしまうと、楽しみにしていたマイホーム生活を送ることが難しくなります。

3.欠陥住宅の主な具体例

「欠陥」とされるものには、以下のように「既に症状が出ているもの・見えるもの」と「これから症状が出る可能性があるもの・見えないもの」があります。

「既に症状が出ているもの・見えるもの」

・雨漏り
・床の傾斜やたわみ
・床鳴りやきしみ
・外壁の傾斜
・外壁のひび割れ・欠損
・外壁仕上げ材のはがれ
・天井のたわみ
・内装の仕上げ材のひび割れや浮き、はがれ
・設備からの漏水
・排水不良
・建具の開閉不良
・基礎の沈下
・屋根の変形
・柱の傾斜
・著しい結露の発生 など

「これから症状が出る可能性があるもの・見えないもの」

・基礎部分のかぶり厚さ不足
・基礎部分の埋め込みの深さが足りない
・防腐防蟻措置がされていない
・接合金物が適切に付けられていない
・筋交いが不足している
・部材の規格や設置方法が基準を満たしていない など

他にも、さまざまな「欠陥」事例があります。

4.欠陥とはいえないもの

すべての事象が欠陥といえるわけではありません。

欠陥とは住宅の安全性が損なわれるような重大な不具合のことですので、以下のようなケースだと、一般的に欠陥には該当しません。

・壁紙のはがれや破れ
・基礎等の小さなクラック(ひび割れ)
・湿気や乾燥が原因の建具の開閉不良 など

【2】欠陥住宅を見落とさないためのチェックポイント・注意点

欠陥住宅に住まないために、チェックポイントや注意点について把握をしておきましょう。

ここでは、欠陥住宅を見落とさないようにするための、10のチェックポイント・注意点について紹介しています。

1.家が傾いていないか
2.フローリングに浮き沈みやきしみがないか
3.建具の建て付けが悪くないか
4.薬剤などの臭いがしないか
5.振動がないか
6.カビが生えていないか
7.業者とのやりとりは書面でおこなう
8.クローゼットの中に手抜きがないか
9.天井に浮きやはがれがないか
10.見積もりや工事内容があいまいではないか

それでは、1つ目から見ていきましょう。

1.家が傾いていないか

欠陥住宅を見落とさないためにも、分譲住宅など完成した家を見学する際は、傾きがないかチェックをしましょう。

「今時、傾いている家なんてないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、びっくりするぐらい傾いている欠陥住宅は普通にあります。床にピンポン玉やビー玉など転がるものを置いてみましょう。

もし、ピンポン玉やビー玉が一定の方向に転がり始めたら、家や床が傾いている可能性があります。

傾きがあると日常生活も不自由ですし、耐震性や耐久性にも問題が生じてしています。

簡単にチェックできますので、住宅を見学する際にはピンポン玉やビー玉を持っていくようにしましょう。

2.フローリングに浮き沈みやきしみがないか

フローリングに不自然な浮き沈みがあったり、きしみ音がある場合は欠陥住宅の可能性があります。

これらの欠陥に関しても、日常生活に大きな支障をきたします。

また、浮き沈みやきしみ音があるということは、基礎が陥没していたり土台が腐敗している恐れもあります。

住宅を見学する際は、より敏感にチェックできるように裸足になって家中をくまなく歩くようにしましょう。

そして、少しでも不自然に感じる部分があれば、徹底的に確認するようにしてください。

3.建具の建て付けが悪くないか

乾燥や湿気によって開閉不良のケースもありますが、建具の建て付けが悪い場合は欠陥住宅の可能性があります。

住宅を見学する際は、すべての窓や扉の開閉がスムーズにできるかどうかチェックをしましょう。

もし、開閉がスムーズでない場合は、家全体の歪みや建具の取り付け不良が原因の可能性も考えられます。

4.薬剤などの臭いがしないか

欠陥住宅ではないか確認する際は、臭いもチェックをしましょう。

窓を閉めた状態で薬剤のような臭いやカビ臭さがある場合は注意しなければなりません。

このような臭いがある場合は、有害物質やアレルギー物質を含むのりや塗料が使用されている恐れがあるためです。

また、表からは見えない部分にカビが発生している可能性もあります。

有害物質やアレルギー物質の少ない「F☆☆☆☆」を使用していると謳っていても、実際は違うものを使っている悪徳業者もあるため、臭いがないか必ずチェックをしてください。

5.振動がないか

住まいの耐震性をチェックする1つの方法に、床にペットボトルを置くものがあります。

ペットボトルの中の液体が僅かでも揺れるようであれば、家が振動していることであり、耐震性に問題がある可能性があります。

揺れがわかりにくい場合もあるため、しっかりと確認をしましょう。

6.カビが生えていないか

新築にかかわらず、既にカビが発生している欠陥住宅もあります。

住宅を見学する際には、壁紙や建具にカビが発生していないか、細かくチェックをしましょう。

また、水の染みた跡がある場合は、結露や雨漏りなどの可能性もあるため注意が必要です。

7.業者とのやりとりは書面でおこなう

多くの人にとって一生で最も大きな買い物となるのがマイホームです。

マイホームを建てる際には、何度も建築士や業者と打ち合わせを重ねます。

また、さまざまな不明点が出てくるため、その都度、質問をしたりします。

打ち合わせや質問は、すべて口頭で終わらせるのではなく、メモを残したり、書面でやりとりするようにしましょう。

口頭だけだと何も記録が残らないため、後に言った言わないのトラブルになりやすいためです。

そういったトラブルを回避し、お互いの認識にズレが生じないようにするためにも、書面でのやりとりやメモ等で記録を残すことはとても大事です。

8.クローゼットの中に手抜きがないか

クローゼットや押入れの中に手抜きがあるケースもあります。

業者としては「クローゼットの中だったら気づかないだろう」と思っているのです。

棚の取り付けが甘かったり、水の染みがあったり、カビが生えていたり、、、など、どのような手抜きがあるかわかりませんので、クローゼットや押入れの中も隅々までチェックをしましょう。

こういった部分に手抜きがある場合は、他にも欠陥がある可能性は高いと考えられます。

9.天井に浮きやはがれがないか

天井材に浮きやはがれがある欠陥住宅もあります。

浮きやはがれが見つかった場合は、漏水の可能性があります。

リビング・ダイニングだけでなく、寝室や子供部屋、浴室や洗面化粧室、玄関など、すべての天井をしっかりとチェックしてください。

10.見積もりや工事内容があいまいではないか

見積書が「●●一式」などの一式表示で何にいくら使われているのか不明瞭、工事内容の説明についてもあいまい、そういった業者には気をつけた方がいいでしょう。

こういった業者は後々トラブルが発生しやすいですし、すべてがあいまいなため契約違反等の責任を追及することが難しかったりします。

見積書を依頼して、詳細まで記載がなく、説明もあいまいな場合は、別の業者を探した方がいいでしょう。

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【3】欠陥住宅かも?と思った場合の相談方法

室内や室外をチェックして、欠陥住宅かも?と思った場合は、1人や家族だけで抱え込むのではなく、すぐに第三者に相談をすることが大事です。

「欠陥かも?」と思ったにもかかわらず、そのまま何もせずに見過ごすのだけはやめましょう。

自分や家族が何十年と住むマイホームですので、不安がなくなるまでチェックすることが大切です。

ここでは、欠陥住宅の可能性を感じた際の相談方法や相談先について見ていきましょう。

欠陥住宅と思ったら弁護士や建築士に相談

「この家って、もしかしたら欠陥住宅では?」と思ったら、いきなり購入先の業者に話すのではなく、信頼できる弁護士や別業者の建築士に相談をしてみましょう。

もしかすると、欠陥ではなく勘違いの可能性もあるため、専門知識を有した第三者に相談することは非常に大事です。

素人目線ではなく、プロの目線で調査をしてくれます。

まずは、建築士に欠陥の調査をしてもらい、欠陥で間違いないと調査結果が出た場合は、弁護士に相談をして業者への請求をおこないましょう。

大まかな流れとしては、欠陥発見→専門家による調査→調査報告書作成→瑕疵保障請求 となります。

特定非営利活動法人 建築Gメンの会に相談

特定非営利活動法人 建築Gメンの会は、欠陥住宅で悩む人を救うために設立されたNPO法人で、建築士や弁護士などが多数在籍をしています。

無料電話相談をボランティアでおこなっており、欠陥住宅に関する相談をすることが可能です。

第三者のプロから今後の進め方などアドバイスをもらうことができます。

ホームインスペクターに相談

欠陥がある。。と思ったら、日本ホームインスペクターズ協会公認ホームインスペクター(住宅診断士)に相談する方法もあります。

ホームインスペクターは、欠陥の有無や住宅の劣化状況などをチェックする住宅診断のプロのことです。

屋根や小屋裏、外壁、室内、床下などを目視や機材を使用して診断をします。

欠陥住宅関東ネットに相談

欠陥住宅関東ネットとは、2001年に設立された団体です。

弁護士や建築士、研究者などが多数在籍しており、欠陥住宅による被害の救済や予防を目的として相談や調査依頼を受け付けています。

定例相談会も実施しており、相談会場で弁護士や建築士に直接相談することも可能です。

他にも、弁護士による法的手続きや建築士による現場調査、月1回の欠陥住宅座談会、欠陥住宅に関する役立つ情報を掲載した小冊子の発行などもおこなっています。

【4】欠陥住宅の判例

残念ながら、毎年のように多くの欠陥住宅被害が報告されています。

裁判の末、どのような判例が出ているのか知っておくことは大事です。

仮に欠陥が見つかったとしても、裁判の前例があることで進めやすくもなります。

ここでは、主な欠陥住宅判例について見ていきましょう。

新築住宅

平成16年 京都地裁

平成16年12月10日に、京都地裁は、居住性能や基礎構造の安全性、地盤の安全性に欠如があることを認定し、建物の撤去・建築費用や地盤改良費用についての損賠賠償を認める判決を出しました。

平成17年 名古屋地裁

平成17年3月31日に、名古屋地裁は、建物の基礎かぶり厚不足などの欠陥を認定しました。

また、建築前からある擁壁の瑕疵(底盤不存在)に対して、売主の業者が購入者に敷地強度が安全であることを確認したうえで提供する義務があるとしました。

売主だけでなく、建築士や施工業者の責任も認め、基礎工事をやり直す際の損害賠償を認める判決が出た事例です。

中古住宅

☆平成16年 神戸地裁

平成16年3月23日に、神戸地裁は、不同沈下や重大な亀裂などの瑕疵があるため、本来の売買契約の目的を達成できないとして、瑕疵担保責任による契約解除を認めました。

また、住宅の売買代金全額、さらには関連する損害の賠償を認めた事例が出ました。

他にも多くの判例があるため、マイホームが欠陥住宅の可能性がある場合は、同じようなケースがないか自分でも確認しておきましょう。

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まとめ

今回は、欠陥住宅の内容や見落とさないためのポイント、相談方法などについて紹介いたしました。

これからマイホームを探す・建設する方、そして既に住んでいる方も、欠陥住宅ではないか必ずチェックするようにしましょう。

もし、欠陥住宅の可能性がある場合は、すぐに建築士や弁護士などに相談してください。

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