不動産を売る際に、すぐに現金化する3つの方法とは？

不動産を現金化しようとすると、通常はまず不動産会社に査定をしてもらうところから始まります。

売却に出して買主と売買契約をするなど、段階を踏んでいかなければなりません。どうしても長期の時間を要します。

では、「すぐに現金が欲しい」「すぐに不動産を売りたい」という人にとっては、どうすればいいのでしょうか？

ここでは、不動産をすぐに現金化する3つの方法をご紹介いたします。

不動産を売る際の買取と仲介

不動産を売却する際には、どの様な売却方法があるのでしょうか。

大まかな種類としては2つ。

買取
仲介

「買取」は、不動産会社があなたの土地や建物を直接購入する形となります。

これに対し「仲介」とは、不動産会社に売却を委託することによってその不動産会社が仲介業者となり、個人に物件を紹介して売却する方法です。

2つともメリットやデメリットなどありますが、決定的な違いは、「買取」は売却までの時間が早いのに対して、「仲介」の方は売れるまでの時間が遅くなる傾向にあります。

不動産即時買取で現金化

まず、最初の方法としてご紹介するのは買い取りの中でも「即時買取」と呼ばれる方法です。

「即時買取」は、不動産会社が物件を直接買取ってくれるので、即時に売却することができます。

物件を買い取った不動産会社は、再販売をして利益を得る仕組みです。

メリットとしては、売却までのスピードが3つの方法の中で一番早いという特徴があり、デメリットとしては買取価格が仲介の場合より安くなってしまうところ。

価格よりもスピードを重視する、というのであれば「即時買取」がベストな方法と言えますね。

不動産買取保証によって現金化

買取保証は、即時買取のようにすぐに不動産会社が買い取るのではなく、一定の期間を設けることによって、その間は不動産会社が仲介営業を行えるというもの。

不動産会社の立場から見ると「即時買取」の場合、不動産会社は営業を行わないまま買い取りをして、買い取った物件にリフォームをするなど手を加えて再販売します。

しかし、再販売する物件が「売れない」といったリスクを想定しなければなりません。

買取保証の場合は仲介営業が可能なため、売れる感触が良い場合はリスク無く売却が可能です。

仲介で売れる可能性があるため、「即時買取」よりも「買取保証」の方が売却価格は高くなる傾向にあります。

買取保証の流れとしては不動産会社に査定をしてもらった後、一般の不動産市場に売却物件として出し、一定の期間の後に買い取り。

もし、一般の不動産市場で売れなかったとしても、不動産会社が買い取ってくれるので安心できますね。

不動産仲介による現金化

不動産仲介は、一番スタンダードな売却方法です。

通常、不動産を売買するときは、個人と個人が売主・買主となり売買契約を行います。

しかし、売主・買主の双方に不動産の知識が無ければ、契約をした後になってトラブルになる可能性があるのです。

そこで、不動産売買の専門家である不動産会社が売主と買主の間に入って売買契約の仲介を行うことで、安定した取引を行うことができます。

不動産を売却するときは、まず不動産会社に査定をしてもらい、査定価格に納得すれば売却を委託するための媒介契約を行います。

媒介契約をした不動産会社は、預かった売却物件を一般に公開して買主を探す活動をスタートする、といった流れです。

買主となるのは一般の個人なので、なかなか購入者が見つからない可能性もあるでしょう。

不動産即時買取とは違い、いつ買主が見つかるかは全く保証されません。

ようやく買主が現れたとしても、買主が住宅ローンを利用して不動産を購入するのであれば、住宅ローンの審査の承認がおりるまで待つ必要があります。

住宅ローンの審査は、「事前審査」と「本審査」という2段階で行うことがほとんど。

そのため、余計に時間が掛かってしまうのです。

ただし、売却したい不動産の立地が良いなど、条件が良ければ早く売れることもあります。

売れやすい物件であれば、仲介で売却したほうが一般の相場で早く高く売れるのでメリットが大きいですね。

すぐに現金化したい理由を明確にする

「いますぐに不動産を現金化したい」と考えている人は、どんな理由から不動産を売却しようとしているのでしょうか。

売却する理由によっては、すぐに現金化しない方が良い場合もあります。

「なぜ不動産をすぐに売りたいのか」という理由をはっきりさせましょう。

相続関係で早く不動産を処理したい

たとえば家族から家を相続することになった場合。

相続した人がその家に住んでいる、もしくは住む予定があるなら良いのですが、そうでない場合は不動産を所有しているだけで税金や維持費などのランニングコストが掛かってしまいます。

この場合はすぐに不動産を売って現金化しようと考えがちですが、即時買取のように不動産をすぐ現金化する方法は通常の売却価格よりも20%から30%は下がってしまうことに。

そのため、よほど急ぎでない限りはしっかりと査定をしてもらって「不動産がいくらで売れるのか」確認し、少しでも得られる金額を増やした方が賢明です。

高く売りたいのであれば時間は掛かりますが「不動産仲介」を選択するのが一般的。

しかし、それでも「いますぐに現金が欲しい」ということであれば「不動産即時買取」を選択しましょう。

借金をかかえてしまったので早く売却したい

もし、借金を抱えてしまっていて「一刻も早くお金が欲しい」という場合には「不動産即時買取」をおすすめします。

上記の方法であれば、通常の「不動産仲介」よりも早く現金化することができて、近隣の住民に売却する事実を知られることなく実行することが可能です。

転勤や転職が急に決まってしまった場合

もし自分の都合ではなく転勤や転職が急に決定してしまったら、すぐに引っ越しを考える必要があります。

「持ち家をどうするか」というのは最大の問題点ですよね。

賃貸物件として貸すことができるのであれば「家賃収入」を得ることができるかもしれません。

しかし、新天地でもし家を新しく購入するのであれば、すぐにでも現金が欲しいところですよね。

こうした場合にも「不動産即時買取」がおすすめです。

維持管理や固定資産税で苦労している

持ち家を賃貸に出したとしても、いつまでも空室のままだったりすると維持管理や固定資産税が大変ですよね。

こうした場合は即時買取した方が得なのか、それとも不動産仲介で売却した方が得なのか見極める必要があります。

自分にとってメリットが大きい方を選択しましょう。

結局どの方法が良いのか

即時買取・買取保証・仲介とご紹介してきましたが、結局どの方法が一番良いのでしょうか？買取と仲介を比較しながら見ていきましょう。

まずは不動産会社により買い取りが可能な「即時買取」と「買取保証」ですが、最大のメリットは「短期間で売却」が可能なことです。

仲介となると買主を探すところから始まるため、売れるまで半年以上の期間が掛かってしまうことも。

すぐに現金が欲しいと思っているのに、半年も待たされたら困ってしまいますよね。

しかし、買い取りとなると不動産会社が直接購入してくれるため、早ければ1日、遅くとも1カ月での売却が可能になります。

こうした理由から、すぐ現金化したいと考えているのであれば迷わず買い取りを選択しましょう。

買い取りは瑕疵担保責任が無い

買い取りの2つめのメリットは、「売主の瑕疵担保責任」と呼ばれる責任が免除されることです。

「売主の瑕疵担保責任」とは、不動産を売却した後に瑕疵（欠陥）が見つかった場合に売主が責任を負うというもの。

たとえば雨漏りやシロアリ被害、地盤がゆるい、などです。

しかし、買い取りであればこの「瑕疵担保責任」を免れることができるので、余計なトラブル関係は不動産会社に任せられます。

売却した後も、過去の不動産に振り回されるのは面倒ですし、何かと疲れますよね。

「余計なトラブルに巻き込まれるのは嫌だ」という人は買い取りをおすすめします。

資金計画が立てやすい

また、買い取りは資金計画を立てる際にも役立ちます。

たとえば、住み替えなどで現在の家を売却して新たな家を購入しようとするときは、住宅ローンを組む場合がほとんど。

自己資金が潤沢にあって住宅ローンを組む必要がないという場合は別ですが、新しく住宅ローンを組むのであれば、前のローンは完済していることが条件となります。

もし買い取りを選択した場合は、買い取りをしてくれた不動産会社からの入金タイミングが明確になるので、前のローンの返済にも充てやすくなるのです。

入出金の流れがわかると今後の資金計画も立てやすくなりますね。

買い取りの場合は内覧が不要

買い取りは不動産会社が行うため、内覧をする必要がありません。

仲介による売却であれば、買主は個人なので、家の中を見たいという希望があれば内覧が必要です。

内覧をせずに家を買う人はほぼいないでしょう。

家を売却している最中でもまだ居住中なのであれば、住んでいるところに購入希望者が見に来ることになります。

この場合は、赤の他人に自分の生活を見られてしまう可能性が。

買い取りであればこうした思いをする心配がありません。

買い取りなら売却を隣人に知られることがない

買い取りであれば周りに知られずに売却が可能です。

仲介を選択すると売却までに数ヶ月以上を要することや、不動産ポータルサイトや不動産情報誌に掲載されるので近隣の住民に情報が漏れやすくなります。

しかし買い取りを選択すると売却するのは不動産会社なので、ほとんど情報が洩れる心配はありません。

仲介手数料が掛からない

買い取りの場合は仲介手数料が掛かりません。

「仲介」を選択すると、売買の仲介をしてくれた不動産会社に報酬として手数料を支払わなければなりません。

仲介手数料は宅建業法の規定により「売買価格×3％+6万円」が上限ですが、けっこう大きな金額になります。

買い取りはこうした手数料が不要なのも良いところですね

ここまで買い取りのメリットばかり挙げてきましたが、仲介のメリットも存在します。

仲介では買い取りよりも高い価格で売却できるため、購入した家を最大限の価格で売却することが可能です。

場合によってはリフォームが必要だったりと手間はかかりますが、利益を最大化しようと考えるのであれば「仲介」がおすすめです。

まとめ

不動産を売却する際には、即時買取・買取保証・仲介といった3つの方法で売ることができます。

仲介の場合は、不動産会社の売却力や物件の条件によって売れるスピードがかなり違いますが、買い取りであればすぐに売却が可能です。

このように、確かに不動産をすぐに現金化できる方法は存在します。

しかしその分、売却価格が安くなるなどデメリットがあるのも事実です。

一般的な「不動産仲介」を選択するのか、それとも「不動産即時買取」や「不動産買取保証」を選択することによって少しでも早く売却するのかは、自分の状況によって柔軟に対応する必要があります。

不動産の相場や買取価格が知りたい場合は、不動産会社に相談してみましょう。

不動産一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社に査定依頼を出すことができます。