相続した空き家を売りたい。水光熱費はどう管理すればいい?

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近年、増え続ける空き家が社会問題になっています。

親が住んでいた家を相続したが、自分は遠隔地に住んでいるので空き家になってしまった。

そんな場合でもきちんと空き家の管理をしなければ、建物は老朽化し、売却することも難しくなってきてしまいます。

また、空き家を売るまでの間、電気・ガス・水道はどうすればいいのでしょうか?

こうした空き家のライフラインなどの問題についてご紹介します。

1、空き家でも水道光熱費は発生する

たとえ誰も住んでいない空き家とはいえ、電気やガス・水道を契約している以上は、水道光熱費が発生します。

その月は全く使っていない場合でも基本料金が掛かるからです。

とは言え、安易にライフラインを全て解約してしまうのも賢明とは言えません。

2、空き家を売るまで、電気・ガス・水道は必要?

空き家の場合、電気・ガス・水道の契約はどうすればいいのでしょうか。

まず、ガスに関してはガス漏れなどの危険性があるため、できるだけ閉栓したほうが良さそうです。

空き家を維持管理するのに、ガスを使うことはほとんどありません。

たとえば何日か泊まることが前提で、風呂を沸かしたり料理をするためであれば必要でしょう。

しかしそれが年に1、2回程度であれば、その都度、ガス業者に連絡して開栓してもらったほうが安心です。

ちなみに、お湯を沸かす程度であれば電気ケトルなどで簡単に沸かせます。

ガスの利用頻度がその程度であれば、必要ないかもしれませんね。

逆に、空き家管理の利便性を考えると、電気や水道はそのままにしておいたほうが良いでしょう。

もし自分は滅多に空き家の管理ができなくても、家族や業者など、空き家を管理してくれる人が電気や水道を使うからです。

1、電気は止めたほうがいいの?

電気に関しても、漏電などの危険性はあります。

たとえば空き家が雨漏りしていて、何かの拍子に漏電し、火災が発生する可能性もゼロではありません。

しかし、空き家を管理してくれている人にとっては、清掃や明かりを確保するためにも電気は使えたほうが安心です。

通常はブレーカーだけ落としておき、必要に応じて通電するようにしておくと良いでしょう。

電気の基本料金は掛かってしまいますが、電気の使用量が全く無い月は基本料金自体が安くなるので節約にも繋がります。

2、水道は止めない方が良い理由

水道の場合も電気と同じように、使っていなくても基本料金が発生します。

しかし、だからと言って水道を止めてしまうと、いろいろな不都合が出てくるでしょう。

まず、空き家を管理している人はトイレが使えなくなります。

さらに、室内を清掃するための水も使えません。

これでは、わざわざ空き家をチェックしに来てくれた人に対して、不便な思いをさせてしまうことになりますね。

水道を止めてしまうことで他にも問題が。

たとえば水道を長時間止めてしまうと、配管の劣化が進行してしまいます。

水道管が錆びてしまったり、水が無くなることで臭いや害虫などが上がってくる可能性もあるでしょう。

久しぶりに空き家の中に入ったら室内が異臭に満ちている、なんてことにもなりかねません。

3、空き家の水道光熱費は節約できる

空き家は、全く使っていなくても所有しているだけで水道光熱費が掛かってしまいます。

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特に、冷蔵庫やトイレの温水便座、浄化槽のエアーポンプなどは電力を消費するため、電気を使っていないようでも利用料が請求されるでしょう。

必要の無い電化製品はコンセントを抜いておいたり、待機電力をカットするために部分的にブレーカーを落としておくと効果的です。

また、ホームセキュリティーがある場合も、防犯センサーや火災センサーなどの機器が電力を消費しています。

ホームセキュリティーは防犯面で安心ですが、ランニングコストを考えると解約しておいたほうが良いかもしれません。

しかし、中途解約の場合は解約金が掛かる場合があるので注意が必要です。

1、水道管の破裂に注意

空き家を全く使っていないのに、思った以上に水道料金の請求が来たことはありませんか?

地震や建物の老朽化などによって水道の配管が破裂し、水漏れしているかもしれません。

自分で配管の確認をするのは難しいので、定期的に専門の業者にチェックしてもらうと良いでしょう。

4、空き家を売るまで管理を誰が行うのか決める

誰も住まなくなった空き家は、定期的に管理をしないと、どんどん老朽化が進んでしまいます。

特に木造の戸建の場合は、こまめに窓を開けて空気の入れ替えをしなければなりません。

木造は湿気に弱いので、換気をしないと1年も経たない間にゆがみが生じてしまうでしょう。

湿気にやられた住宅はさらに老朽化が進み、外観の見栄えも悪くなってしまいます。

建物の見栄えが悪いと、売りたくてもなかなか買主が見つからず、さらに老朽化が進んでいくという悪循環になることも。

そうならないためにも、空き家といえどもしっかりと管理を行う必要があります。

しかし、空き家が親から相続した住宅などの場合は、相続人が別の場所に住んでいることもあるでしょう。

もし住んでいる所が空き家から遠ければ、定期的に管理をするのは難しいかもしれません。

では、誰が管理すればいいのでしょうか?

1、家族や親戚で行う場合

遠隔地から自分一人だけで空き家の管理をするのは、とても大変です。

もし家族や親戚の誰かと交代で管理することができるのなら、遠慮なく頼んでみましょう。

空き家の近隣に住む親戚がいると心強いですね。

簡単な清掃ができるように、掃除道具は用意しておいたほうが良いでしょう。

2、空き家管理サービスを利用する

家族や親戚には負担を掛けたくない場合や、近くに頼める人がいない場合はどうすればいいのでしょうか。

そんなときは、空き家管理サービスがおすすめです。

一般の不動産業者やNPO法人などが運営しており、空き家に関する様々なサービスが受けられます。

空き家の敷地内や周辺を目視確認するだけの格安プランや、建物の室内までしっかりとチェックしてくれるプランなど様々。

たとえば郵便受けの確認や、敷地内の簡易清掃、庭木や建物外部の確認、防犯確認などがあります。

とくに庭木の場合は注意が必要です。隣の家まで木の枝が伸びてしまい、隣人に迷惑を掛けてしまうことも。

境界を越えて庭木の枝が伸びてきた場合であっても、隣人が勝手にその枝を切ることはできません。

これは民法第233条で規定されており、空き家の所有者に庭木を切るように要求することしかできないのです。

隣人としても、滅多に合わない所有者に「枝が伸びてきたから切ってほしい」とは言いにくいでしょう。

空き家管理サービスを利用すれば、こうした部分もチェックしてくれて、隣人との紛争を未然に防ぐことができるので安心ですね。

3、空き家管理サービスを行う業者

空き家を定期的に管理してくれるサービスを利用してみるのも良いでしょう。空き家の管理業者をご紹介します。

NPO法人 空き地・空き家管理センター

月たったの100円で空き家を外部から目視確認してくれる格安プランがおすすめ。

室内の換気などもしっかり行ってくれるプランもあるので、空き家を管理する頻度によって自由にプランを選べます。

日本空き家サポート

日本全国対応の空き家サポートサービスを展開。建物の外観と室内を目視確認してくれるスタンダードプランや、屋外だけをチェックするだけの格安プランがあります。こちらも空き家の管理方法によって選べるのが良いですね。

大東建託パートナーズ 空き家管理サービス

こちらも全国対応の空き家管理サービス。

屋外だけ目視確認するプランと、室内までしっかりチェックしてくれるプランとに分かれています。

空き家借上げサービスといった、サブリースも行っています。

自分で空き家を管理するのはとても大変です。

特に遠方からわざわざ空き家の様子を見に来るのは、莫大な費用と時間が掛かることになるでしょう。

誰かが定期的に空き家の管理をしれくれたら安心ではないでしょうか。

プランに応じた空き家管理サービスを利用すれば、低いコストで「安心を買う」ことができるのです。

5、空き家になってから3年以内に売ったほうがいい理由

空き家を売却して所得を得た場合は、譲渡所得税を支払わなければなりません。

空き家を売った売却金が所得とみなされるからです。

使わなくなった家を売ったからといって税金が取られてしまうのは、もったいないと感じるかもしれませんね。

1、空き家対策としてできた3,000万円特別控除を利用しよう

譲渡所得税の特例として、居住用の財産を売却した場合は3,000万円を上限として控除できます。

これは、近年増加しつつある空き家問題を抑制するために創られた特例措置。

この特例を利用することができれば、空き家を売却しても譲渡所得税を支払わずにすみます。

ただし、空き家を相続した時から3年以内に売却することが条件となっているので注意しましょう。

計算式は下の通りです。

譲渡所得=譲渡価額(売却価格)-取得費-譲渡費用-特別控除3,000万円

(取得費がわからない場合は譲渡価額の5%で計算)

2、特別控除を受けるための適用要件

3,000万円特別控除を受けるためには、細かく要件が指定されています。

  1. 住宅を相続した時から起算して、3年を経過する年の12月31日までに売却する
  2. 被相続人が住んでいた住宅を相続した人が売却する
  3. 相続した住宅に耐震性が無い場合は、耐震リフォームをしなければならない
  4. 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること(区分所有建築物は除く)

まず、相続をする以前から、親などの被相続人が居住していたことが条件です。

また、相続をしてから3年以内に空き家を売却しないと、特例を受けることができません。

空き家が耐震基準に満たしていない場合は、耐震リフォームをすることが条件になっていますが、もし建物を解体したときはそのまま土地のみを売却すれば大丈夫です。

このようにいくつかの要件が定められていますが、空き家を売るときはぜひ3,000万円特別控除の利用を考えてみてください。

参考サイト⇒国土交通省 空き家対策の特例措置

6、迷惑空き家にならないために

空き家はそのまま放置してしまうと、かなり危険です。

老朽化が進み、屋根の瓦が落ちて通行人に怪我をさせてしまうなど、様々なリスクを孕んでいます。

庭の雑草が伸び放題になって害虫が増えてしまったり、空き家だからといって侵入者が現れる可能性もあるでしょう。

防犯上も良くありませんし、ゴミの不法投棄や、火災の原因になることも。

近隣の住民に与える影響は計り知れません。

迷惑空き家になることを防ぐためには、しっかりと管理をしていく必要があります。

どうしてもランニングコストが掛かってしまいますが、空き家を売却するまでの必要経費と思えば気が楽になるかもしれません。

空き家を売るためには、ある程度の美観も維持しておく必要があります。

そのためにも空き家管理サービスなどを利用して、建物を維持しておくことが大切ですね。

まとめ

空き家を維持管理していくために電気や水道などのライフラインは必要なため、水道光熱費が掛かってしまいます。

「電気や水道なんて使わない」と思っていても、空き家を管理するために訪れた人が掃除などで使うでしょう。

電気・水道を契約している以上は基本料金が掛かります。

空き家を売る予定の場合は、それまでの必要経費と考えて割り切ったほうが良いかもしれません。

また、空き家を相続してから3年以内に売却できれば、3,000万円の特別控除を受けることができます。

この特例が適用されれば譲渡所得税を支払う必要が無くなるので、これまで掛かった空き家の管理費などが浮く結果にもなるでしょう。

特別控除の要件として、耐震基準があります。

もし不安な場合は、ホームインスペクション(住宅診断)を利用して専門の業者に建物をチェックしてもらうのがおすすめ。

近隣に迷惑を掛けないためにも、定期的な空き家の管理を行うことが大切です。

また、空き家の早期売却を目指す場合は、「空き家がいまいくらで売れるのか」ということを知っておかなければなりません。

建物は人が住まなくなると、どんどん老朽化が進んでしまいます。

できるだけ早めに、専門の不動産業者に査定見積もりを相談しておきましょう。

空き家を売却するなら、計画的に進めていくことが大切です。

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